2008年11月19日水曜日

ガンダムを斬る

(2008/11/19 6時)

こほん。
以下は、エセSF考察の世界ですから気にしないでください。

簡単にいうと、こういう事です。

まずは前置き。
疑問1
・ひんぱんに使用される「ビーム兵器」は実在するのか?
ビームライフルって作れるのか?

答え1
・一応実現はしている。ただし、非常に大型で重量もあり、大量の電力を一度に消費するので、電源部分が強烈な出力でなければいけない。冷却機構も必要である。ある程度小型にして、例えば地球をピンポイントで狙い打つ事も可能とされているが、一発撃つのに、準備に年単位の時間がかかる。

カートリッジ式ビームライフルのような大きさと形状では、相当に技術的ブレイクスルーが無いと実現できないだろう。既存の技術で作るのでは、情けないくらいの破壊力しか実現できないはずだ。

疑問2 宇宙空間を自由に動けるの?
一応可能です。月へも行っていますから。ただし、月へ行って帰ってくる場合、基本的には一定方向への一直線コースのみです。軌道修正は微弱にしかできません。あれだけフレキシブルに動き回るには、前提としてかなり多くの方向にブースターが必要になり、ガンダムのブースターの個数は明らかに足りていません。あれでは、制御に失敗してくるくる回ったり、あらぬ方向へ飛んで行く可能性があります。もちろん、その制御技術のソフトウェア的なハードルも高いです。というか、手の部分に人を乗せて急に加速すると、その人は落ちて死んじゃいますから。というか、逆方向などに急加速するとパイロットはブラックアウトして即死ですから。ガンダムはGに寛容ですね。

疑問3 なぜガンダムは燃料切れにならないの?
ビルをやすやすと破壊して、しかも無傷である所を見ると、大変な大出力である事がわかりますが、それだけの出力を出せるデバイスというと、小型発電所並みです。それを高さ14メートルほどの機体に搭載する事は不可能です。サイズを小さくすれば、歩くのがやっとでしょう。この点に限定して言えば、エヴァのほうが若干リアルな描写と言えます。



ガンダムファンの皆さん、ごめんなさい。
これから、ガンダムがサイエンス「フィクション(SF)」である事が明らかになります。

仮に、宇宙戦で、MSを撃破したとしましょう。スペースデブリを知っていますか?砕かれた機体は、大小さまざまなデブリとなり、それ自体が想像を絶する破壊力を持ちます。これが無数の方向にチ飛び散るわけですから、一度撃って当たれば、味方も敵も無傷ではすまないか、最悪の場合全滅するでしょう。

熱力学的、エネルギー保存の法則を考えてみてください。言わば、機体に打ち込まれたビームが、破壊されて飛び散るデブリになって、それが無数に飛び散るのです。だから一発でも撃つと怖いんですよ。しかもデブリは、無重力だから、理論上は永久にそのままのスピードで進んでいきます。重力があればいつかわ落下しますけどね。

つまり、結論から言ってしまうと、宇宙空間とは、あれだけ派手に動きまわって撃ちまくれる空間ではないという事なのですよ。

・でもでも、じゃあ艦隊戦ならできるでしょ?

おやおや、これは他のSFのファンにまで嫌われるかもしれません。確かにできますが、もう一つの決定的な事を言います。

ビーム兵器は、光の速度で進行する兵器です。一秒間で地球を7回半だそうですから、見えた時には当たっているのです。だから、ビームの光が見えてから「ぶつかる、回避」という事は不可能なのです。しかもコンピュータ制御ですから、計算に誤差やミスが無い限り百発百中で命中します。ビーム兵器に狙われたらそこで終わりだと考えてください。艦隊レベルであれば、貫通力も絶大です。

また、ジムなどはどこに当たっても爆発しますが、エネルギー系のユニットでなければ、たいていの場合爆発しないのではないでしょうか。それでは絵的に面白くないのでしょうかね。

つまり、「小惑星などを盾として見えないようにし、精密な計算で大出力一発撃ち」で終了、というのが本当のビーム兵器による艦隊戦なのではないか?と思います。

ええとですね、つまり兵器同士による「打ち合い」や「戦闘状態が一定時間続く」という状況は、現実的にはあまり無い事なのですよ。だから、ガンダム的戦闘はそもそも成立しないと推測できるわけです。

いやできるんだ、ガンダムにケチをつけるなという人が居たのでは、単なる水かけ論になってしまいそうですね。

地上での運動については、重力がありますから、機械的には大きくなるほど難しいわけです。人間相手なんかだと心理的威圧効果はあるでしょうけどね。格闘技なんかみたいに、必ずしも大きいから強い、というわけでもないのですよ。3〜4メートル級なら作れるかもしれませんがね。

えーと、僕は確かに昔トミノさんに喧嘩を売りましたが、今見てみると、ガンダムの人間関係は・・・・テーマとしてはよくできてると思いますよ。逆襲のシャアなんか特に。あれは、「見解の異なる2人のニュータイプがぶつかりあう話」だと思いますよ。

ただ、多くの人には、男性的な攻撃欲求のを具現化した戦争映像として消費されてしまっているのではないですかね。「戦闘シーン中毒」と診断できる人って、アニメ見てる人で多そうですよ。(いや、そういう病名ないけど、病名なんざ作ればある事になるからさ。)

ああ、長文撃つのもけっこうしんどいです。