2008年9月17日水曜日

中村剛志の誰でもわかる?簡単コンピュータ概論です。

この記事では、意外なほど簡単で単純なコンピュータの概要を、初心者にもわかりやすく論ずる。心配しなくても、あっけないほど早く終わってしまう講義です。コンピュータなんてその程度のものなのです。これが人間の英知だなんて言う人は、ばかげているとずっと思ってきました。どうしてそう思うかは読めばおそらくわかるでしょう。

■一般的な個人向けコンピュータの中身はどうなっている?

図示すると、今のパーソナルコンピュータはこんな感じである。
画像をクリックすると拡大します。1280×800Pixelです。
ややてきとうな図で申し訳ないですが、要はほとんどこれだけです。

CoNPC.jpg

赤で示した「チップセット」というのが、システムの全体を管理している。CPU、CPUと言われがちだが、全体の入出力の管理や取り決めを行っているのはチップセットである。また、青の点線でつながっているBIOS, EFIは、さらに低いレベルで入出力を管理している。チップセットは言わば「中央管理局」みたいな感じである。

CPUが主役と言われる事が多いのは、Programからの命令を主に計算するのがCPUだからであって、CPUが何でもこなしているわけではない。サウンド関連の処理はサウンドカード、オーディオボード上のSound Processing Unit、ビジュアル関連の処理はビデオカード上のGPUが担当している。CPUは何でも屋さんだが、言わばその道のエキスパートに任せたほうが良い処理は他へと回される。また、低価格なモデルでは、チップセットの中に映像、音声処理チップを埋め込んでしまったものが多い。またProcessor、プロセッサとは、計算を行う装置の総称である。

コンピュータの進化に伴い、BIOSはあまりその意味をなさなくなってきている。10年後にはBIOS, EFIは無くなっているかもしれない。

また、プログラムはメインメモリの中に展開され、CPUによって実行される。そしてまたチップセットに戻り、チップセットから最終的にディスプレイやスピーカーに出力されて、人間の耳と目に届く。とにもかくにも、チップセットが中心的な役割である。USBポートやLANポートもチップセットにつながっている。

また図では省略したが、ビデオのエンコードなどを行う専用プロセッサ等が、拡張スロットに刺す形で加わる事もある。それから、電源も省いているが、電源は全体の動作に影響を与えるので、良いものを選んだほうが良い。

そして、これらの部品は、外付けのデバイス(電子機器の事)でない限り、本体内部のプリント基盤(PCB製のロジックボード、マザーボード)の上に実装されている。

ハードディスクには、ネットワークから受け取ったデータや生成したデータなどを保存しておく保管庫として主に機能する。接続先はもちろんまたもやチップセットである。また、チップセットは1個の場合と2個の場合がある。2個の場合は、メモリとCPUを管理するノースブリッジ、入出力を管理するサウスブリッジに分かれている事が多い。

そして、こういった計算機体系を操作するために必須なのがインターフェイス、厳密には「Human Interface Device(マウスとかキーボードとかタッチパネルとか)である。数字だらけでは人間には難しいので、イラスト(フォルダとかアイコンとか)で見えるような仕組みになっている。この仕組みを(Graphical User Interface)という。

講義は以上。後は余談になる。どう、かんたんでしょ?

インターフェイスは、極論どんな形でも操作さえできればかまわないので、これからも新しいインターフェイスが生まれてくるだろう。というか、十分な計算速度と容量を得た今、コンピュータが進歩できるポイントは、インターフェイスくらいしかない。現状の「ノイマン型コンピュータ(地球上のほぼ全てのコンピュータの形式)」は、こんなにもう未知の可能性の無いものなのだ。

また、コンピュータはスイッチのオンとオフしか理解できないおバカさんである。そのため、コンピュータ内の情報の最小単位はbitである。コンピュータが便利なのは、コンピュータが賢いからでは決してない。プログラマーの頭が良いのである。プログラムの恩恵にあずかるという事は言わば、頭の良い人の考え方を使うような事であって、コンピュータはその仲介役をしているにすぎないわけだ。ある意味では、基礎的な部分ではそろばんよりも頭が悪いとも言えます。

信号のオンオフは、そろばんと違って、超高速で切り替える事ができるので(この切り替えの速度をクロックという)、その上でプログラマーが頭を悩ませた結果、便利なものになったのです。

あと、OSというものがこれらの要素をうまく連結させて使えるように下地を整えてくれているわけで、その上のミドルウェア(中間業者)を通じてソフト(アプリケーション)が実行されているというわけ。

後は、見てくれと操作感を変えていくくらいの事しかできない。Wiiなどがその例である。後は、BTを使った量子コンピュータなどの、全く新しいコンピュータの登場を待つしか無いのです。人間の脳をモデルにした人工知能が開発中なので、人間のように自然に接する事のできるコンピュータが早くできるといいですね。今のコンピュータはやはり基本的な作りが馬鹿すぎてイライラさせられます。ちなみに人間の脳の処理能力は、現代の超速いスーパーコンピュータでもたちうちできない速度です。立って歩いて話すというのは、大変な計算力が必要なのですよ。

そうは言いつつも、10月上旬から中旬発表とうわさされている新しいシルバーの薄いMacBookがやはり気になっています。早く実物を見て触りたいものです。
(ところで、MacBook AirもHDDが120GBになるそうですね?)