2009年3月1日日曜日

自分の創作物から学んだ事

私は今まで、大きく分けて、音楽、写真、映像、文章を主にデザインの手法で作ってきました。

当然、最初は試行錯誤があったわけですが、その結果、脳内に手法が構築されていき、これが「作品を量産」するための重要な道具となりました。

例えばプラモデルをたくさん作るには、金型を作らなきゃいけないじゃないですか。金型=Model というわけです。

その結果、「自分で作ったものに教えられる」という不思議な現象が起こるのです。

多忙につき時間が無いので、そのうちいくつか紹介しましょう。
たぶん、クリエイターにとっては有益なテキストでしょう。

・写真編 (高度編)
1 被写体を好きになれ。義務感で撮った写真は没になる。
好きな被写体しか撮るな。自分が好きな被写体は
自分が好きな写真になり、反復して人もそれを好きになる。

2 撮影には予定されている撮影だけでなく、自由時間を持たせろ。
特に何をするという目的の無い自由時間に偶然、必然的な
シャッターチャンスが舞い降りる可能性が多いにある。

3 直感を信じろ。シャッターを押す時は、
インスピレーションの権化となれ。自意識(エゴ)を捨てて
シャッターをきれ。

4 編集は、写真を頭の中の理想像(イデア)に近づける事だけを考えろ。
撮った段階でうまく撮れていなければ、どんなに編集しても無駄だ。
編集はあくまで、完成度を高めるための化粧にすぎない。

・写真編 (基礎編)
1 被写体の余計な部分は潔く全て捨てろ。撮りたい一つのものだけに
集中せよ。選択と集中が完成度を高める。

2 可能な限り歩き回って、整合性のある構図を頭の中で3Dで考えろ。
そしてできるだけその通りに撮れ。そのためには
アクロバットな姿勢になる事も覚悟せよ。

・映像編
1 多くの人が見るものであれば、観客が予想していない展開を考えろ。

2 心のパワーを編集力に変換して費やせ。映像制作は体力を消耗する。

3 制作へのモチベーションが無いなら、まず初めにモチベーションを作れ。
モチベーションが無ければ何も作れない。

4 全てをシステマティックに考えろ。プログラミングと同じだと思え。

5 理論的に手を抜くと、駄作になりやすい。考え抜け。

・音楽、映像共通編

安心できる、波の少ない展開の中に、人が許容できる程度の適度な大波を入れろ。それが音楽とミュージックビデオだ。

・音楽編
驚きと安心を適度に織り交ぜろ。怒りをテーマにした曲なら、怒りから自分を超越して、怒りを客観視せよ。感情の中に居ては、作曲はできない。感情を超越した理性で、あくまでも構造的にものを作れ。半分感情の中につかりつつも、理性のほうが優位の状態になれ。

以上です。ひょっとしたら誰かの参考になるかな?
しかし、われながら厳しい内容ですね。
どうしろって感じ。

もう一つ、クリエイティブ共通の重要な事を言います。

・このような厳しい条件をクリアしなければならない。そのためには精神力と体力が削られ、多くの場合それは回復できず、寿命が削られる。または病気になる。あまりクリエイターを熱心にやりすぎると、死んでしまう。

それから、これは私個人の場合ですが、
・創作は、本当の自分を知るための鏡を作る行為。
自分の作品は、自分の人間性を生々しく映し出す。
(自分の心の中を見たくない人は、何も作らないほうが良いかもしれない。)

最近UNIX哲学なるものを知ったのですが、それに通じる部分もあるかもしれません。興味のある方はクリック(Wikipedia。)

あとそれから、残酷な話ですが、
作品が成功するかの何十%は運。
作者が成功するかの何十%は運。

ただし、成功という概念自体が実は、歪んだバーチャルリアリティの上にかろうじて成り立っている歪んだ概念。よって外面的な成功という言葉に振り回される必要は無い。

何をもって、自分は成功したと自分で見なすかは、各自の考えによって決まる。成功の定義の種類は、人によって千差万別の違いがある。

最近のブログセクションに新曲あり。ダウンロードもできるよ。
(EasyMan/HogeHoge名義の101曲目の曲ですが、
私の中で重要なテーマの曲となりました。※)

※「ゆるやかな消滅」。きれいで安定した音の心地よさと同時に、
そのまま消えて行きそうな不安感を感じるような曲です。
僕らしいというか何というか。自作楽器を使用しています。